どうも離人症です。

「離人症」のなんてことない日記をつらつらと…。 私が離人症という言葉を知ったとき、離人症に関するブログや本にはなかなか出会えませんでした。私のように同じ症状の人を探している人の励みになればなと思います。

初めて離人症を自覚した日。

おはようございます。

現在、早朝5時。外から鳥のさえずりが聞こえ始めています。

今回は予告通り「私が初めて離人症を自覚した日」についてお話ししようかと思います。

 

謎の感覚”ふわふわタイム”

離人症なんて言葉があることをまだ知らなかったころ、私はこの不思議な感覚を”ふわふわタイム”と呼んでいました。この感覚は不定期に襲ってくるのですがおおよその傾向は小学生ながらに理解していました。傾向は大きく分けて4つ。

 

1つ目は、父と二人っきりでいるとき、又は父と幼い弟と夜お留守番しているときです。私が小さなころ、母は夜の仕事に出ていたので夜になると私、父、弟の三人で留守番をしていました。このような夜には高確率であの感覚に襲われました。

 

2つ目は、大人ばかりの食事会。父の仕事上、私たち家族は父の仕事仲間たちとの食事会に時折参加していました。自分の頭上を飛び交う大きな声やアルコールのにおい、食器のガチャガチャという音、大人の大きな笑い声など。小さな子供にとってはそれらは立派な恐怖でした。不安、恐怖心が大きくなってくるとあの感覚は決まってやってきました。

 

3つ目は入浴中。一人でシャワーを浴びているときにもよく襲ってきました。外的要因がなく急に襲ってくるときの多くは入浴中です。これは今も変わりません。原因はわかりませんが、おそらく一人で密室にいると独りで考える時間が増えてしまうからなのではないでしょうか。

 

最後の4つ目はリスカをするときです。私は自殺志願者ではありません。このことについては、またいつか書きたいと思います。

 

この4つ以外の場面でも、もちろんあの感覚は襲ってきます。しかし襲ってくる傾向が多くみられるのはこの4つの場面でした。

 

 

これは誰もが抱える当たり前の感覚?

離人症を初めから何か精神的な不具合と気づいていた人からすると驚きでしょうが、私はあの不思議な感覚はみんなに等しく当たり前にやってくるものなのだと思っていました。当たり前の感覚。だからこそ誰もあえてこの感覚の話はしないのだと。微塵の疑いもありませんでした。

そして、幼いころの私はあの感覚の波に飲み込まれ負けてしまった人が自殺という道を選択してしまうのだと考えていました。なぜならあの感覚に襲われるとき、どんなこともできてしまい、恐くもなんともなかったからです。その証拠にリスカをするときは決まってこの感覚の時でした。なぜなら行為を行うのは自分でも、その行為を受けるのは自分ではないのですから。(離人を経験したことがある人にはこの感覚が理解してもらえるのではと思います。)リスカだって自殺だって恐くありません。

平常時に腕を切れ、体を痛めつけろと言われても私にはできません。そのような勇気はありません。離人はあらゆる不安・恐怖心というものを私から一切合切奪っていくのです。

しかし、あの感覚は私にとっては苦痛で仕方ありませんでした。きっとほかの人たちの多くも苦痛に感じているに違いない。だからみんなこの感覚について口に出すことはしないのだ。それが、この社会の暗黙のルールなのだと思っていました。

 

初めて異常だと自覚した日

ある日、学校で友人が休み時間に机でぐっすりと眠っていました。次は移動教室だったのでその友人を私はゆすっておこしました。何気ない会話を二人でかわしながら音楽室へと向かっているときも友人はまだ眠たげでした。そんな友人に私は深く考えず言ったのです。

 

「寝起きの感覚とあの感覚ってなんだか似たところがあるよね。」

友人は不思議そうな顔を私にむけて聞きました。

 

「あの感覚って?」

「あの感覚だよ。なんだか、ふわふわしてて異世界にいるような、全部が無に感じるやつだよ。自分が自分じゃなくなるあれだよ。」

その時の友人の顔といったら。これが漫画のワンシーンだったのならば彼女の後ろには大きく太字でポカーンと書かれていたに違いありません。これが私が人生で初めて自分のあの感覚は異常だと気づいた出来事でした。しかし私はその子が特別なのだと思いたくてほかの子たちにも冗談交じりに聞いて回りました。その日の学校からの帰り道、私はこの世界にあの不安感・恐怖心に襲われているのは私だけなのだと、私は異常なんだと、だれにもこの感覚を理解してもらえないのだ、と孤独の波が押し寄せてきました。

 

この日、私は人生で初めてあの不思議な(のちに”離人症”と名前を知る)感覚が普通ではないと自覚したのでした。

 

この出来事をきっかけに私は”離人症”について調べ始めます。しかし、あのなんとも言い難い、なったことのある人にしかわからない感覚を言葉で表現できるだけの言語力を私は持ち合わせていませんでした。結果、”離人症”という言葉に出会うまでこの日から1年ほど要したような気がします。(正確な日付を記録しているわけではないのでおおよその記憶ですが…。)

 

今回は以上で終わりとします。

朝晩が本格的に冷え込んできましたので、皆さん体調にはくれぐれもお気を付けください。

では、また次回。